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【恐ろしい話】隈取 短編 - 恐ろしい話

【恐ろしい話】隈取 短編


俺の親父の実家は東北の旧家で、


だだっ広い家だった。


祖父は既に亡く、祖母が一人でその家に住んでいた。



小学生の頃は、毎年夏休みになると、数週間泊まりに行ってのだが、


その家には俺と弟にしか見えない子供がいた。


そいつは、普段使わない部屋の扉を開けると中から飛び出してきたり、


夜、トイレに起きて寝床に戻ってくると俺の布団に入ってたりして


俺や弟を驚かせて楽しんでいるようだった。 祖母にそのことを言うと、


「死んだおじいさんも子供の頃見たって言ってたし、


おまえのお父さんも子供の頃は見えるって言ってたね」


と言われた。 その、子供のころ見たと言う親父に聞くと


「あー、子供の頃は見えてたな、中学に入ったころから見えなくなった。


あいつ顔が怖いんだよな歌舞伎の隈取みたいで」


と言われた。 どうやら、親父が見た子供と


俺がみたのは同じもののようだった。


俺が親父に話していなかった、あの子供の特徴を言っていたからだ。


あの子供は、歌舞伎の隈取のように、


顔中に血管のようなものが浮かび上がているのだ。


おそらく祖父が見ていたのも同じ子供だろう。


中学に入ってから、部活や勉強で、


あの家に泊まりに行くことは無くなった。


去年、祖母の葬式に行ったときには見ることはなかった。



そして、誰も住まなくなったあの家は取り壊された。


あの子供はどうなったかは分からない。

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2016.07.27|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
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