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【恐ろしい話】貝社員? 短編 - 恐ろしい話

【恐ろしい話】貝社員? 短編


今年の夏、海がある母方の実家に遊びに行きました


冷夏と町の過疎化で余り海には人がおらず


晩酌のつまみに、ウニでも取ろうかと思って



午後四時ごろ、少し肌寒い海に入り


漁業組合の監視をちょっと恐れつつ


浜から50メーター位のところでウニやツブを拾ってたんです


手持ちの袋にそれなりの数も溜まったので


海面に突き出た岩礁に座って休みをとり、沖合いの夕日を見ていました


ふと沖の赤くきらきら光る海面に目をやると


逆光の中を頭まで被った黒いスウェットスーツと


赤いシュノーケルをつけた人がこちらにすーっと泳いできたんです


ヤバイ、密猟がばれたか、と思って覚悟を決めて岩礁に立ち


「すみませーん、お金払いますんで」と呼び掛けて手を振ったら


向こうの人は急に泳ぐのをやめて水面から顔を上げたのです


その時、私の目に飛び込んできた相手の顔は


水を出し入れする管がある、開いた二枚貝そのものに見えたんです


もう怖くなってしまって、すぐさま海に飛び込み全力で浜に向かって泳ぎました


この時ほど50メーターが長く感じたことはありませんでした


浜に着いたときは心臓がバクバクして、岩で足はすりむき、袋は無くしていました


海を振り返って見ると


そいつは、そこはひざ位も深さが無い浅瀬に顔を沈めたまま泳いでいました


その後、家に駆け込み、あたためた酒を飲んで落ち着きましたが


あの時の不気味な恐怖は忘れられません

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2016.08.14|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
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